認知症の予防
理想の食生活
こころが喜ぶ食事のススメ
欧米では、果物、野菜を豊富に使い、肉よりも魚や豆類、オリーブオイルを使用した地中海料理に認知症予防効果があると報告されています。しかし、日本では馴染みのある料理とはいえず、普段買い物をしている食料品店では材料を用意するのも難しい場合がほとんどです。
日本の研究では、魚摂取量が多い人ほど認知症になりにくいことが明らかになっています。食生活の欧米化による肉が多く魚や緑黄色野菜が少ない食事は、がんやさまざまな生活習慣病のみならず認知症のリスクも高めてしまいます。古くからの日本食が認知症予防にベストな食事と言えるでしょう。
*魚に含まれる不飽和脂肪酸をサプリメントで摂取しても意味はなさそうです。
中年期の肥満は認知症のリスクになります。ところが、60歳を超えると太っていた方が(BMI>25)認知症になりにくいことがわかっています。高齢者では体重が減ることで認知症のリスクが高くなってしまうようです。
原因は明らかではありませんが、認知症を発症する10年前から体重が減少することが示唆されており、体型を維持することがもっとも認知症リスクを低下させると考えられています。
また食事の内容だけでなく、よく噛んで食べることが記憶を司る海馬の機能を改善させ認知症予防になるという報告もあります。年をとっても自分の歯で食べ続けるためには口腔ケアも欠かせません。
認知症の予防は長く続けることが必要です。大切な人との楽しい食事はなによりの薬になることでしょう。「認知症には〇〇がいい!」という情報に飛びついて、偏った食事になるのはお勧めできません。健康な体や脳を維持するには「バランス良く、必要な栄養素をきちんと摂る」ことが不可欠です。