老年行動科学会のオンライン講演会に登壇しました


6月29日(日) 日本老年行動科学会が開催した、2025年度第一回公開オンライン講演会でお話しさせていただきました。
「認知症BPSDケア最前線:薬物・非薬物療法とオンライン支援の融合」というテーマで、私は薬物療法の教育講演を担当しました。

2024年には、日本で初めてブレクスピプラゾールという抗精神病薬が、アルツハイマー型認知症のBPSD(行動・心理症状)に対して適応追加されました。
これまで、代替薬がなかったために、適応外で向精神薬を処方せざるを得ない場面が多かったことを考えると大きな前進です。
しかし本来、ケアや環境調整によって改善が期待されるBPSDにまで、安易に薬物が使用されるべきではありません。
講演では、応用行動分析の視点を取り入れながら、薬物療法の要否を検討する実践を紹介しました。

また、BPSDを予防するためには、認知症を発症する前の段階から、家族の関わり方を見直していくことが重要です。
今後、疾患修飾薬の普及により、これまで以上に早いタイミングで医療・介護が介入できるようになります。
その機会を活かし、認知症の進行予防だけでなく、本人が穏やかに過ごせる時間を少しでも長く支援していけるよう努めていきたいと思います。

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