老年心療内科

BPSD(認知症の行動・心理症状)とは

BPSD (Behavioral and Psychological Symptom of Dementia)

認知症の患者さんにみられる精神症状・行動症状はBPSD(認知症の行動・心理症状)と呼ばれ、中核症状である認知機能障害とは別にご本人の生活の質を低下させたり、介護負担を増やす原因になります。

BPSDには幻覚、妄想、興奮、不穏、徘徊、焦燥、社会的に不適切な言動、性的逸脱行為、暴言、抑うつなどが含まれます。「最近、怒りっぽくなった(易怒性・性格変化)」「ものが無くなると、家族の仕業だと疑う(もの盗られ妄想)」「ものごとに関心がないように見える、一日横になっている(意欲低下)」などといった兆候が現れることもあります。

認知症の原因疾患やご本人が置かれている環境によっても症状の経過はさまざまですが、ほとんどの患者さんが少なくとも1つ以上のBPSD症状を経験すると言われています。

脳の機能が低下することで中核症状と呼ばれる認知機能障害を引き起こし、そこに環境やその時の心理状態が絡み合うことでBPSDをきたします。

特にご本人を取り巻く環境の影響は大きく、ご家族や介護者の言動が良くも悪くもBPSDを左右するといっても過言ではありません。認知機能の低下に伴い、日々の生活で「いままでのようにうまくいかない」「いままで通りにできない」ことが増えてきます。ご本人との関わり方も"いままでとまったく同じ"というわけにはいかなくなるわけです。ご本人の認知機能、生活機能に応じて過不足なく適切に関わること、それがBPSDを悪化させないコツです。当院では、ご本人の状態を丁寧に評価し、ふさわしい生活スタイル・関わり方を提案するとともに、応用行動分析に基づいたBPSDの治療を提供しております。

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