臨床老年看護誌に寄稿しました


臨床老年看護雑誌に「高齢者のうつ病・抑うつ症状の特徴と治療」というテーマで特集記事を載せていただきました。

認知症の諸症状として抑うつ症状があらわれたケース、高齢者のうつ病、低活動型せん妄に典型的な症例を提示し、それぞれの病態の特徴や経過、治療・ケアについてまとめています。
いずれの病態でも似通った「うつっぽさ」が見られますが、治療法や生活上のアドバイスはずいぶん違います。
特に認知症のごく初期(予備軍)の段階では、簡単な問診検査やMRIなどの画像検査で異常を見落とされることが少なくないため、認知症の前触れとしてうつっぽくなっている患者さんがうつ病と誤診されたまま治療され「なかなか良くならない」と相談にいらっしゃることも珍しくありません。

当院に「高齢者うつ」を心配して受診される患者さんの中にも、認知症の前駆症状として抑うつ症状をきたしていたケースが相当数いらっしゃいます。うつ病は慢性的に脳のエネルギーが消耗した状態ですから、休養や抗うつ薬の投薬が必要ですが、認知症の前駆症状としてうつっぽくなっている場合には、デイケア・デイサービスなどを活用した行動活性化が必要になる場合もあります。

高齢者に見られる抑うつ症状のケアにお困りの専門職は特集を参考にしていただければ幸いです。

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