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認知症の治療法~薬物療法と非薬物療法~

認知症の症状には、もの忘れをする、理解力や判断力が衰えるといった「中核症状」と呼ばれるものと、怒りっぽくなって暴力を振るったり、徘徊したり、妄想や幻覚を見たりするような「行動・心理症状(BPSD)」と呼ばれるものに分かれます。

症状の中でも、実際に困るのは行動・心理症状の方でしょう。しかしこれらの症状に対し、すぐに向精神薬などを用いて抑えようとするのはお勧めできません。認知機能低下に伴い「できなくなってきたこと」にご家族・介護者がどのように対応するかを考えることが大切です。対応方法を変えることでご本人の情緒が安定すると徘徊をする頻度が減ったり、感情の起伏が穏やかになったり、排泄のトラブルなどが少なくなったりすることにつながります。これだけでも介護する側の負担は大きく減ることを経験します。

認知症は「治らない」イメージが強く、発覚した時点で諦めてしまう方も少なくありません。確かに認知症を根本的に治療することはできませんが、それは生活習慣病など他の病気にも言えることです。良い状態を長く保つためにも、できるだけ早く治療を開始していくことが大切です。特に、症状の進行を遅らせたり緩和したりできる抗認知症薬は、初期の段階で服用を開始すると症状の進行を緩やかにし、より良い状態を長く維持できることがわかっています。進行を緩やかにすることによって、介護する方の負担も軽減されます。介護をする方は、日々進行していく症状に対して次々と対処していかなければなりません。日々の対応に追われ、全体的な方針としてどう接していくべきなのか、ゆっくりと考える時間を取れなくなることがほとんどでしょう。しかし、治療によって少しでも進行を遅らせることができれば、時間的な余裕が生まれ、ご本人への対応にも余裕が出るでしょう。

認知症の治療法には、主に薬物療法と非薬物療法の2通りがあります。薬物療法としては、抗認知症薬を用いることにより認知機能低下の進行を遅らせる効果が期待できます。抗認知症薬は、これまではアルツハイマー方認知症のみに効果があると考えられていましたが、近年レビー小体型認知症にも効果が認められ、一部の抗認知症薬は2014年から保険適用となっています。一方、非薬物療法にはさまざまなものがあります。音楽を聞いたり、運動をしたり、頭や指先を使って作業したりすることによって精神を安定させ、脳を活性化させる効果が期待できます。脳トレにこだわる必要はなく、ご本人が好きなこと・興味のあることを取り入れるようにしましょう。また、認知症について理解を深めることも大切です。行動・心理症状は、ご本人のおかれている環境などの要素によって症状の出方が大きく変わってくるため、生活リズムを改善したり、ご本人への対応を変えたりするだけでも、症状が改善することがあります。どれか一つの治療法に頼るのではなく、並行して治療を進めていくと良いでしょう。

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