地域のかかりつけ医の先生や地域包括支援センターの介護専門職を対象としたオンラインセミナーで、脳神経内科の先生と精神科医の私とでレビー小体型認知症(DLB)の症状や治療・ケアについてお話ししました。
レビー小体型認知症では記憶障害の発症前から抑うつ状態、レム睡眠行動障害、幻視といった精神症状を呈することも多いため、精神疾患と誤診されやすいことに注意が必要です。また認知機能低下やパーキンソン病症状だけでなく周辺症状も日によって変動することがあるため、ご家族・介護者がさまざまな症状に振り回されてしまうこともあります。
アルツハイマー型認知症に伴う行動心理症状とは異なり、レビー小体型認知症の周辺症状はバイオロジカルな異常に起因する可能性が高いため、ケアだけではよくならない場合がほとんどです。ある程度薬を使った治療が必要ですが、副作用によって周辺症状が悪化することもあるため、専門医療機関での治療が望ましいだろうと考えています。
セミナーではそれぞれの専門的見地から工夫して治療・ケアに取り組んでいることを共有することができて私も勉強になりました。介護現場でもレビー小体型認知症の患者さんの対応に難渋しているという声をよく耳にします。今回のセミナーは事前に登録していただいた医療・介護関係者のみに公開されたものですので講演動画は共有できませんが、テーマに関心がある方は講演をご依頼いただけましたら幸いです。