老年心療内科

BPSDの非薬物療法

ご本人の状態にふさわしい関わりを

認知症疾患診療ガイドラインでもBPSD(認知症の行動・心理症状)には非薬物療法が推奨されており、バリデーション、ユマニチュード、パーソン・センタード・ケアといった認知症ケアのメソッドや、回想法、音楽療法などが広く知られています。当院で取り組んでいる応用行動分析はそれらの手法と競合するものではなく、どのタイミングでどのように働きかける(非薬物療法)のが本人に最適なケアなのかを分析することで最大限の結果を引き出します。

バリデーション
認知症の方との向き合い方を中心に、妄想に対してはその背景にある不全感を表出させ、思い出を語らせることで悲しみや怒りを解消させる、といった認知症ケアのコツを提唱したものです。
ユマニチュード
認知症の方と関わるときのマナーを体系化したような内容です。その方の状態・認知機能に合わせて適切に関わることを推奨しています。
パーソン・センタード・ケア
丁寧に症状を観察し、その行動の意味を考えた上で、その人らしく過ごせるように配慮する関わり方を推奨しています。

これらはそれぞれ欧米で提唱された認知症の方と関わる時のメソッドで、アプローチは異なるものの共通する部分も多く、いずれも本人らしく過ごしてもらうためにその方にふさわしい働きかけをするよう強調しています。

回想法
回想(人生の振り返り)を通してこれまでの人生の歩みを思い出し、記憶を再固定させるとともに、楽しかった・充実していた頃を思い出すことで精神的な落ち着きを取り戻す方法です。ご家族が一緒にアルバムの整理をしながら、その時の思い出を聞いてみるだけでもご本人にとっては有意義な時間になるはずです。
音楽療法
音楽を聴いたり、歌ったり・楽器を弾いたりすることで気分・覚醒度を改善させたり、感情の表出や言語化を促します。ご本人が若い頃に耳にしていたいわゆる懐メロを流すだけでも、当時の気持ちを追体験するという一種の回想法として働く可能性があります。さまざまな研究でも、不安や気分の落ち込みへの効果が実証されています。